メトロポリタン・オペラ:「ロメオとジュリエット」
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●Anna Netrebko(Juliette) and Roberto Alagna (Romeo)
演出や舞台美術の面では、決闘シーンで回り舞台を使ったり、ロメオとジュリエットのベッドが星空の中、舞台上部から下りてきたりと、ユニークで美しいものでした。キャピュレット家の舞踏会は、仮面舞踏会という設定で、ベネチアン・マスクのようなゴージャスな仮面がいろいろ出てきて、わくわくものでした。
このシリーズの面白いところは、舞台だけでなく舞台裏も見せてくれるところです。幕間のインタビューで、ルネ・フレミング(豪華だ)にラブ・シーンについて訊かれたアラーニャが、いろいろな条件を述べた後、「僕はとても内気なので、ラブシーンはうまくいかない」とかなんとか言ってましたが、内気なだけではなく、美人の嫁さんアンジェラ・ゲオルギュー姐御の目が光ってるからじゃないのか、と勘繰りたくなったりして。
ネトレプコはおちゃめな人で、インタビューには真剣に答えるのに、フレミングが「ランメルモールのルチア」のハイライトについて語っている後ろで、バッタのようにビヨンビヨン飛び跳ねまくり、ファニーな一面を垣間見せてくれていました。ジュリエットとの役柄のギャップに大笑いしました。素でも楽しくていい人なんだろうなー。
終幕、戯曲やバレエと違って、オペラのロメオはなかなかあの世へ行けません。なんて効きの悪い毒薬なんでしょう、まったく。きっとろくでもない薬屋に、ぼったくりの値段でしょぼいクスリを売りつけられたのでしょう。まあ、そのおかげで観客は、蘇ったジュリエットとロメオの美しいデュエットが聞けるわけですが。
それにしても一番手際が悪いのは神父のじいさまですね。墓の前で早目にスタンバイしてなきゃダメですよ。神父のくせに墓が怖かったんでしょうか。それとも御老体に夜気はきつかったんでしょうか。すてきに役立たずでした。墓に来さえしないよ。戯曲やバレエでも、この方はいまいちツメが甘いので、オペラ版だけ責めても仕方ないですが。
全体的に、オペラ版の「ロメジュリ」は、バレエ版と比べてシンプルでした。美味しいところ取りというか、大切なエピソードだけを残して、枝葉は切って落とした感がありました。ロメジュリがメインで、ベンヴォーリオとかパリスとかあんまり活躍させてもらえません。
終幕、気の毒なパリスはロメオに殺されるはずなんですが、影すらありませんでした。完全にカット。ヒドイ扱いです。まあ、バレエでも戯曲でも、一番貧乏くじをひかされている気がするパリスなんですが、オペラではもっとカス扱いでした。ご愁傷さまです。
なんだかんだいっても、全体的にいいプログラムでした。仮面同士でチューするシーンは、かなりベタで、赤面モノでしたが。
●Anna Netrebko(Juliette)
【photo:source】
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