イアン・ボストリッジのコンサート:「冬の旅」
●Ian Bostridge【photo:source】
去る11月21日(金)に、イアン・ボストリッジのコンサートへ行ってまいりました。
休憩時間はなく、「冬の旅」全24曲を、75分間ぶっ通しで聴かせるというコンサートでございました。御本人様は、途中に一度だけ、ピアノの後ろに置いてあった水を口にし、喉を湿らせておいででしたが。
ボストリッジの「冬の旅」を、生で、全曲通して聴くのは初めてでしたが、ボストリッジ節(?)炸裂というか、陰影の付け方が絶妙でした。フォルテッシモでは美声をバーンと響かせ、ピアニッシモでは絹糸をピンと張ったよう。みごとでした。
このリートは本当に美しいんですが、失恋してドン底の、そのまたドン底青年の心情をめんめんと歌っていくので、聴いている方も気が滅入ってまいります。
ボストリッジは歌っている間中、傷心し、さすらう青年になりきっておりました(ただ、左薬指の指輪が視界に入るたびに、思い切り現実に引き戻されて、憂鬱の上塗りになりましたが)。
また、伴奏を務めたジュリアス・ドレイクのピアノも、とても素晴らしかったです。ボストリッジのごとく〝歌う〝ピアノ。感嘆しました。
◇◆◇◆◇
演奏終了後、観客の拍手に応えて、舞台上に戻ること4回。4回目に、アンコールとしてシューベルトの「別れ」を歌ってくれました。もう少し聴いていたかったのですが、御本人もピアニスト氏もお疲れのようでしたので、仕方ありませんでした。
ほんのほんのちょっとだけ、ボストリッジの生「魔王」を期待してたんですが。彼の「魔王」は絶品なので。
記念にパンフレットを買って帰りました。が、表紙ウラの写真を見て、母も妹も
「大病して、やっと退院したばかりの人みたいよ」
「チラシの方がだんぜんイケメンじゃないの」
なんぞと俗なことを言いおりました。
チラシのお顔は、お若いころの貴公子顔なので、母も妹も、そのギャップに少なからず衝撃を受けたようです。分からないでもないですが。
現在、何歳におなりあそばされたのだろうと調べたところ、1964年12月25日の43歳でいらっしゃいました。
王子ホールでのリサイタルでは、コール・ポーターの「夜も昼も」がプログラムに入っていたようです。イアン・ボストリッジのコール・ポーター。ぜひとも聴いてみたかったです。次回の来日公演に期待します。
Franz Schubert: Winterreise D 911 / Ian Bostridge
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